
玉葛(たまかづら) 幸(さき)く行かさね 山菅(やますげ)の
思ひ乱れて 恋ひつつ待たむ
(作者不詳 万葉集第12巻3204)
━またお会いできるまで、お元気でいらしてください。
山菅のように思い乱れて、恋いつつお待ちしております。━
(万葉集の「山菅」には諸説ありますが、「ヤブラン」をさすともいわれています。)
「ヤブラン」は冬でも葉が枯れずに青々としている、
常緑性の多年草です。
秋、葉の間に隠れるように、穂状の薄紫の花が咲きます。
葉が交わるように乱れ茂り、忍ぶように咲く花の様子に、
古の人々は、恋しく思い乱れる気持ちを重ねたのですね・・・
「ヤブ(藪)」に自生して、葉がラン(蘭)の葉に似ていてる事から
「ヤブラン(藪蘭)」の名前が付いたのですが、
“ラン科”ではなく“ユリ科”に属します。
日陰・日向、湿潤・乾燥いずれにも強くて育てやすく、
古くから庭園の下草として植えられてきました。
『万葉集』にも詠まれ、
「濃い緑色の葉」と「薄紫の花」の組み合わせは
“和”の雰囲気ですが
葉に白い縁取り(斑入り)のある「フイリヤブラン」は、
明るい印象で洋風のお庭にも似合うんです♪

また、ヤブランの学名Liriope(リリオペ) は、
ギリシャ神話に出てくる美しい水の女神の名前からきています。
そのリリオペの息子が、ナルシストの言葉の由来になった有名な「ナルキッソス」なんです☆
ヤブランの花言葉・・・『忍耐』『謙遜』『隠された心』


